
もくじ
はじめに:これからの時間を、もっと自分らしく生きるために
仕事や子育てに追われていた頃と違い、シニア世代になると時間の流れが少しゆるやかになります。
朝のスタートも、昼の過ごし方も、夜の時間も、どこか自由で、自分で決められる余白が増えます。
その一方で、「なんとなく毎日が同じ」「気がつけば一日が終わっている」と感じる人も多いものです。
でも考えてみれば
これは人生の中でもとても貴重な時間です。
これまで頑張ってきた自分へのごほうびとして、「自分のための暮らし」を見つめ直す絶好のチャンスでもあります。
今の暮らしをちょっと見直してみるだけで、毎日は驚くほど心地よく、楽しく変わっていくのです。
今回は、「今の暮らしを見直す」というシンプルだけど奥深いテーマについて、ゆったりと考えてみましょう。
小さな工夫や意識の変化が、あなたの毎日をより豊かにしてくれます。
自分の暮らしを“棚卸し”してみよう
暮らしを変える第一歩は、まず「今の自分の暮らし」を知ることです。
私たちは意外と、毎日の習慣や生活リズムを意識せずに過ごしています。
だからこそ、一度立ち止まって、自分の暮らしを“棚卸し”してみることが大切です。
朝起きてから夜寝るまで、どんな時間を過ごしているかを書き出してみましょう。
やっていること、やりたくてやっていること、惰性でやっていること、気づけば後回しにしていること。
一日の流れを整理するだけで、「意外と自分の時間が少ないな」「もっとこうしたいな」という気づきが生まれます。
この“棚卸し”は、暮らしを変える最初のスイッチです。
「やらなければならない」ことだけでなく
「やりたいこと」「本当はこうしたかったこと」に目を向けると、今まで見えていなかった可能性が見えてきます。
いらない習慣を手放してみる

暮らしを整えるコツは、何かを増やすことではなく、「いらないものを減らすこと」から始めることです。
長年の習慣の中には、もう必要ではないのに惰性で続けていることが意外と多くあります。
たとえば
なんとなく毎日見ているテレビ番組、本当は気が進まない人付き合い、無意識にやっている家事の手順など
「本当に必要かな?」と問い直してみましょう。そして手放してみると、驚くほど心と時間にゆとりが生まれます。
暮らしは“足す”ことよりも“引く”ことで豊かになることがあります。
必要なもの、大切な時間だけを残すと、自分らしい暮らしの輪郭がはっきりと見えてくるのです。
「心地よい」と思える時間を増やす
暮らしの質を高める最大のポイントは、「心地よさ」を軸に考えることです。
これまでの人生では、「やらなければならないこと」を優先してきた人が多いでしょう。
でもこれからは、「自分が心地よくいられるかどうか」を大切にしていいのです。
たとえば
朝の過ごし方を少し変えるだけでも気持ちは大きく違ってきます。
慌ただしく家事を始めるのではなく、まずはお気に入りの音楽を聴きながらお茶を飲む、外の空気を吸いながら深呼吸する。
そんな些細な時間が、1日の心の状態を穏やかに整えてくれます。
「心地よい」と感じる時間が暮らしの中に増えると、自然と笑顔が増え、毎日の満足感が高まります。
大きなことをしなくても、暮らしは心の持ち方ひとつで変わるのです。
空間を整えると、心も整う
暮らしを見直すときに欠かせないのが、「空間の見直し」です。
家は毎日を過ごす場所であり、心の状態に大きな影響を与えます。
物が多すぎて落ち着かない、動線が悪くてストレスがたまる、使っていないものが場所を取っている。
そんな状態になっていませんか?
空間を整えることは、心を整えることにつながります。
まずは、使っていないものや不要なものを少しずつ手放してみましょう。
お気に入りのものだけを残すと、空間がすっきりとし、心まで軽くなります。
また、「お気に入りの場所」をつくることもおすすめです。
お気に入りの椅子とテーブルを置いて、読書やお茶を楽しむコーナーをつくるだけでも
暮らしへの満足感は大きく変わります。
暮らしのリズムを“今の自分”に合わせる

若い頃の生活リズムをそのまま続けていませんか?
年齢とともに体も心も少しずつ変化しています。
だからこそ、「今の自分」に合った暮らし方へとアップデートしていくことが大切です。
たとえば
朝早く起きるのがつらくなったら、無理をせず少し遅めの時間に変えてみる。
夜型だった人も、「朝の光が気持ちいい」と思うようになったら早起きに挑戦してみる。
昔の自分に合わせるのではなく、今の自分にとって心地よいペースを探してみましょう。
「今の自分」に合ったリズムで暮らすと、心も体も無理がなくなり、自然と毎日が心地よくなります。
“これからの時間”をどう使いたいか考えてみる
暮らしを見直すうえで大切なのは、「これからの時間をどう使いたいか」を考えることです。
60代以降の人生は、まだまだたっぷりと時間があります。
その時間をどのように過ごすかで、これからの人生の充実度は大きく変わります。
「やりたかったけどできなかったことは何か」「これから挑戦してみたいことは何か」そんな問いを自分に投げかけてみましょう。
大きな夢でなくても構いません。
「もっと散歩の時間を増やしたい」「毎朝ゆっくりコーヒーを淹れたい」など、小さな願いからで大丈夫です。
時間の使い方を意識するだけで、暮らしの方向性が見えてきます。
そしてその方向性こそが、自分らしい人生をつくる羅針盤になるのです。
「心地よい暮らし」は小さな一歩から
暮らしを見直すと聞くと、「大きく変えなければ」と思ってしまう人もいるかもしれません。
でも、そんな必要はありません。
暮らしは、小さな一歩の積み重ねで十分に変わっていきます。
たとえば
「今日は引き出しをひとつ片づけてみよう」「朝の5分を深呼吸の時間にしてみよう」それだけでいいのです。
無理をせず、できることから少しずつ始めていくと、いつの間にか暮らし全体が心地よく整っていきます。
暮らしを見直すことは、自分を大切にすることと同じです。
自分の心と体にやさしい選択を重ねていくと、「今の暮らしが好き」と思える時間が確実に増えていきます。
まとめ:暮らしを見直すと、人生がもっと楽しくなる
今の暮らしを見直すことは、単なる“整理整頓”ではありません。
それは、自分のこれからの人生を見つめ直すことでもあります。
いらないものを手放し、心地よい時間を増やし、自分らしいリズムを取り戻す。
そうした小さな変化が積み重なると、暮らしは驚くほど豊かに、楽しいものへと変わっていきます。
暮らしは「こうしなければならない」ものではありません。
こうしたい」と思う方向へ、自由に変えていけるものです。
さあ、今日から少しずつ“暮らしの見直し”を始めてみませんか?
それはきっと、あなたの毎日をもっと心地よく、もっと輝かせてくれる第一歩になるはずです。
“自分らしさ”を大切にする暮らしへのシフト