
もくじ
はじめに:“ひとりの時間”は、心を整える大切な時間
人は誰かと一緒に過ごすことで喜びを感じますが
「ひとりの時間」にもそれとは違う、かけがえのない価値があります。
特にシニア世代になると、子育てや仕事の忙しさから解放されて、自分だけの時間が増えてきます。
その時間をどう過ごすかで、毎日の満足度は驚くほど変わってくるのです。
“ひとり”というと、なんとなく寂しいイメージを持つ人もいますが、それは本来の姿ではありません。
ひとりの時間は、自分を大切にするための時間であり、心をリセットし、充電するための時間でもあるのです。
今回は、そんな“ひとり時間”を心から楽しむためのヒントや工夫について、ゆったりとご紹介していきましょう。
“ひとり”をネガティブにしないことから始めよう
ひとりの時間を楽しむコツは、まず「ひとり=さみしい」という考え方を手放すことから始まります。
誰かと過ごす時間ももちろん大切ですが、それと同じくらい、自分と過ごす時間も大切です。
むしろ、自分との時間を楽しめるようになると、人生はぐんと自由で豊かなものになります。
たとえば
誰にも気をつかわずに好きなことをする時間は、
自分のペースで過ごす時間、何もせずにぼんやりする時間です。
どれも、誰かと一緒の時間では得られない心地よさがあります。
“ひとり”の時間を「自分と向き合う贅沢な時間」と考えてみてください。
その視点が持てると、静かな時間が愛おしく感じられるようになります。
“何もしない時間”をあえてつくってみる
現役時代のような慌ただしい日々が落ち着いても、
私たちはつい「何かしなきゃ」と思ってしまいがちです。
でも、ひとり時間の魅力のひとつは、「何もしない」という選択ができることです。
あえて予定を入れず、ソファに座ってぼんやり空を眺める。
お気に入りの音楽をかけて、ただ耳を傾ける。
そんな“空白の時間”は、心と体を深く休ませてくれます。
考えすぎていたことが整理されたり、ふと新しいアイデアが浮かんだりと、
思わぬ気づきが生まれることもあります。
「何もしない時間」は、怠けている時間ではありません。
むしろ、自分を大切にするための“ごほうびの時間”です。積極的に取り入れてみてください。
“好き”に没頭するひとときを持つ

ひとり時間を楽しむうえで大切なのは、「自分の好きなこと」に思いきり没頭することです。
誰にも遠慮せず、自分のペースで、自分の世界に入り込める時間は、心を満たし、元気を与えてくれます。
たとえば、本を読む、絵を描く、手芸をする、庭の手入れをする、どんなことでもかまいません。
「夢中になっていたら、時間があっという間に過ぎていた」という体験こそが、ひとり時間の醍醐味です。
「そんなに好きなことがない」と思っている人も、まずは小さなことから試してみましょう。
「なんとなくやってみたい」と思うことに手を出してみるだけでも、自分の“好き”が見えてくるものです。
“自分と対話する”時間をつくる
ひとりの時間は、自分とじっくり向き合うチャンスでもあります。
日々の忙しさの中ではなかなかできない「内側との対話」をすることで、心は驚くほど整っていきます。
日記を書くのはとてもおすすめの方法です。
その日の出来事や感じたことを素直に書き出すだけで、心の中が整理され、自分の本当の気持ちが見えてきます。
「こうしたい」「これは違う」といった本音が見えてくると、これからの毎日がもっと自分らしいものになっていきます。
また、静かな場所で目を閉じて、自分の呼吸や感覚に意識を向けるだけでも効果的です。
自分と丁寧に向き合う時間は、心に深い安心感をもたらしてくれます。
“小さな贅沢”でひとり時間を彩る
ひとり時間をもっと楽しむために、「小さな贅沢」を取り入れてみるのもおすすめです。
特別なものでなくても、自分の心が喜ぶことをしてあげるだけで、時間がぐんと特別なものに変わります。
たとえば
お気に入りの紅茶をゆっくり淹れる、好きな香りのアロマを焚く、柔らかいブランケットに包まって昼寝をする。
それだけで、ひとり時間は豊かな癒やしの時間になります。
ポイントは
「自分を大切にしている」と感じられる時間を意識的に持つことです。
その積み重ねが、自分自身への信頼や満足感につながっていきます。
“小さな旅”に出てみる

ひとり時間をもっと楽しむ方法として、「ひとりで出かける」こともおすすめです。
遠くへ行く必要はありません。
近くの公園へ散歩に行く、気になっていたカフェまで歩いてみる、電車に乗って少し離れた街を歩いてみる。
そんな“小さな旅”でも、心は大きく満たされます。
ひとりで歩く時間は、自分のペースで景色を楽しめる贅沢な時間です。
気になる道を選び、好きな場所で立ち止まれるのも、ひとりならではの楽しさです。
思いがけない発見や出会いがあるかもしれません。
「ひとりで出かけるのは少し不安」という人も、最初は短い時間から始めてみてください。
慣れてくると、「ひとり旅」の時間が、かけがえのない宝物のように感じられるようになります。
“ひとり時間”があると、人との時間ももっと輝く
ひとり時間の魅力は、それ自体が心地よいだけでなく、「人との時間」まで豊かにしてくれることです。
自分と向き合い、心が整うと、人との関わり方にも余裕が生まれます。
相手に対してやさしくなれたり、会話をもっと楽しめるようになったりするのです。
また、ひとりの時間で得た気づきや学びは、人とのつながりの中でも生きてきます。
「この本が面白かったよ」と話したり、「こんな景色を見た」と共有したりすることで、人との交流も深まっていきます。
“ひとり”と“人と”の時間は、どちらか一方だけではなく、どちらもあってこそバランスが取れます。
その両方を大切にできると、人生はさらに豊かなものになっていきます。
まとめ:“ひとり時間”は自分への贈り物
ひとりの時間は、決して孤独な時間ではありません。
それは、自分と向き合い、自分を癒やし、自分を育てるための大切な時間です。
慌ただしかった日々が落ち着いた今こそ、ひとり時間を楽しむ力を育てていくチャンスです。
何もしない時間、好きなことに没頭する時間、自分と対話する時間。
そのどれもが、心を満たし、毎日を豊かにしてくれます。
そして、ひとりの時間を大切にできるようになると、人との時間ももっと大切に感じられるようになります。
「ひとり」をネガティブにとらえず、「自分への贈り物」として受け入れてみてください。
その先には、心がやさしく満たされる日々がきっと待っています。
人と過ごす時間がもっと楽しくなるヒント